飼育環境

猫のトイレのしつけは簡単です。粗相、失敗の原因と対処法を紹介します。

猫ちゃんがお家にやってきて、まず最初に行うことになるのがトイレのしつけです。

猫が心置きなくトイレができる環境を用意してあげるのが飼い主の役目でもあるわけですが、
ポイントさえおさえておけば、難しいことは何もありません。

飼い主、猫にとって快適な住環境で過ごせるよう、ポイントごとに解説していきます。

この記事はこんな方におすすめ

  • 猫のトイレのしつけ方法が知りたい
  • トイレに失敗して困っている

この記事を書いた人

著者 >> 野田 ゆきえ
ペットショップで3年、猫ブリーダーの元で4年働き、猫の飼育の知識、環境改善に関する様々な事を学んできました。
これらの経験を活かすべく、記事を書き続けています。

猫のトイレのしつけは簡単です

「猫にトイレのしつけをする」

これだけ聞くと、大がかりで大変なものと思われるかもしれませんが、猫にトイレのしつけをするというのは、何も難しいことはありません。

しつけであるわけですから、当然、おさえておくポイントはありますが、そこさえ間違わなければ簡単に終わらせることができます。

本能的に猫というのは、やわらかい砂地、それに似た場所を好んで排泄するという習性があります。

これは過去に砂漠で過ごしていた頃の名残でもあるのですが、この習性を利用することで、しつけ開始から早いと1~2日、遅くても1~2週間で覚えます。

なお、トイレのしつけのポイントは以下の4つになります。

1.褒める(決して怒らない)
2.トイレのサインを知る
3.トイレの場所
4.猫砂

それでは順に見ていきましょう。

猫のトイレのしつけ、いつ始める?

子猫が自分の力で排泄できるようになるのは、生後3週間~生後1ヵ月過ぎといわれています。

トイレのしつけはこの頃には開始するようにします。

猫をペットショップやブリーダーから入手した場合は、既にトイレができている子が多いのですが、環境が変わることで、トイレが上手に出来ないことがあります。

猫がお家に来たら、まずは一人でトイレができるかの確認するようにしましょう。

トイレのしつけの基本

まずはトイレのしつけに関する基本的な部分から見ていきましょう。

飼い主の対応の仕方によって、トイレを覚えるまでの期間は変わってきます。

トイレのしつけの基本
1.トイレで排泄が上手くできたら、しっかり褒める。
2.猫がトイレをしたいサインを出したら、トイレの場所に猫を連れていく。

初めのうちはトイレからおしっこがはみ出たりと上手くできないこともあるでしょう。
ですが、トイレのしつけで一番重要なポイントは失敗しても決して叱らないことです。

トイレを失敗して叱ってしまった場合、トイレを我慢してしまうことがあるんですね。
この時の猫の頭の中はこのようになっています。

おしっこをする = 怒られる

これは最悪のパターンです。
結果として体調不良につながることがありますし、もはや、しつけ以前の問題です。
決して叱ってはいけません。

トイレを失敗してしまった時の対応
1.叱らず無言で子猫を抱き上げる
2.すぐに粗相した場所から引き離す
3.消臭スプレー等を使って、その場所をふき取る

トイレのしつけに失敗したとしても、怒らずに静かに臭いを消す。
このような対処をすることで、すぐに再チャレンジすることができます。

※経験談
私が勤務していたペットショップでも、子猫がトイレに失敗したからといって誰も叱るようなことはしませんでした。
叱ることで自分の仕事が増えるというのが、誰もが理解していましたから。
これは飼い主さんも同じですね。
その時の怒りに任せて行動してしまうと、何も良いことはありません。

猫のトイレのサイン

猫はトイレをする前に、習性上ある一定の行動をします。
以下のサインはおしっこの時でもうんちの時でも同じです。

猫がトイレをする時のサイン

うろうろして落ち着かない

排泄しようとする場所の匂いを嗅ぎ出す

排泄しようとする場所を前足で引っかく

お尻を浮かせてしゃがむ姿勢が見られる

猫がトイレをするタイミングは朝起きた後や遊んだ後、食後等が多いです。

このサインは性別や品種による違いは、ほぼ無いので、どの猫でも参考になるかと思います。
サインの中の上から2つめ、排泄しようとする場所の匂いを嗅ぎ出したら、そっと抱き上げてトイレに連れて行ってあげるといいでしょう。

飼い始めはトイレのサインの見極めが難しいと思いますが、徐々に分かってきます。

トイレを設置する場所

トイレをどこに設置するか迷われる方も多いかと思います。

トイレの設置する場所はしつけをする上で特に重要で、設置する場所次第ではトイレが上手くできない事も少なくありません。
いくつか気を付けるポイントがありますので、順番に見ていきましょう。

まずは猫にとって安全に感じて静かな場所であること。

猫は大きな音に敏感で、その場所が怖いと感じるとトイレを落ち着いてすることができません。
大きな音で例を挙げると、洗濯機の音やドライヤーの音がする洗面所は不適切といえます。

また、掃除機の音も怖がる子が多く、排泄中はなるべく掃除機をかけないようにしましょう。

二つ目は、寝床やエサ置き場から離れた場所です。
衛生上の問題で、トイレが近くにあるとよくありません。

三つ目は、人の目が届きやすい場所です。

人の出入りが多いドアの近くや玄関は、トイレに集中できなくなり不適切な場所になるのですが、
ある程度、目につく場所に置かないと、猫がトイレをしたことに気づくことができず、飼い主が定期的にトイレを掃除することができません。


ブリーダーの元で勤務していた時は、猫用のケージがある場合は上記の写真のようにケージの中に、ケージがない場合はドアから離れた部屋の角、リビングの端や角にトイレを設置していました。

多くの飼い主さんのお宅を訪問したことがありますが、この配置が理想だと思います。

場所を覚えさせる

トイレの場所を覚えさせるには、トイレの中におしっこの臭いがしみ込んだティッシュ等の切れ端を入れておくでもいいですね。
トイレを覚えるまでは、排泄後の猫砂を少し残しておくのも効果的です。

猫はうんちやおしっこの臭いがする場所をトイレと認識するので、トイレ以外の粗相はしっかり消臭しましょう。

猫砂の選び方

猫砂といっても素材によって様々な種類があり、どれを買おうか迷われるかと思います。

素材は、「鉱物系」「紙系」「おから」「木材」「シリカゲル」に分かれ、それぞれ特徴が違います。

猫砂を選ぶ際に考慮するポイント
1.猫の好み
2.値段
3.どのくらい固まるか(中には固まらない素材もあります。)
4.消臭力
5.掃除のしやすさ
6.ゴミの捨てやすさ
7.散らばるかどうか
8.猫砂自体の扱いやすさ

これらは素材によって差が出てきます。

猫の好みに合うものが一番望ましいですが、素材によっては値段が高かったり、掃除がしづらかったりと飼い主の負担が大きいものもあります。

人によって優先するポイントは違う為、飼い主の都合も考慮しながら、猫の好みに合うものを探すといいと思います。

猫がトイレを失敗する原因と対処法

次は猫がトイレを失敗してしまう原因について見ていきましょう。

冒頭でも書いた通り、猫のトイレのしつけは簡単です。
個体差はありますが、「してはいけない事」さえしなければ、一週間程度で、しっかりとトイレでしてくれるようになります。

ですが、時に失敗が続いたり、上手くトイレが出来ていない時は何らかの理由、原因があることが考えられます。

ここでは、そういった時に考えられる原因を紹介していきます。

泌尿器系のトラブル

「これまで、しっかりとトイレが出来ていたのに急に失敗するようになった」

こういった時は泌尿器系のトラブルを抱えている可能性があります。

猫というのは、元々、泌尿器系の病気になりやすいといわれているのですが、代表的なのが尿石症と膀胱炎です。

尿石症とは結石と呼ばれる石みたいなものが、尿の通り道である尿管、膀胱、尿道のどこかにできる病気です。
症状としては、おしっこに血が混じる、何回もトイレに行くがおしっこが出ない等があります。

膀胱炎とは、膀胱に炎症が起きる病気で、猫の場合、原因が特定できない突発性の膀胱炎が多いといわれています。
症状としては、上記症状の他に、トイレ以外の場所で粗相をする、排尿時に鳴く等があります。

病院で診てもらう

急に失敗したり、普段と違って様子がおかしいと感じたら、早めに動物病院へ連れていきましょう。

動物病院では、上記のような症状が見られた場合、まずは尿検査を行うことが多いです。
尿検査の結果次第で追加の検査が行われたり、治療方法が変わってきます。

また、病気の原因によっては、生活環境の指導が入ることがありますので、先生の話をよく聞きましょう。

トイレの場所を間違えて覚えている

「正しい方法でしつけをしているのに何度も何度も失敗する」
「一度、粗相をして以来、立て続けに失敗するようになった」

このような時は、場所を間違えて覚えていることが考えられます。

トイレ以外のどこかで、おしっこの臭いが残っている場合、猫はその場所がトイレだと勘違いしてしまい、すべき場所を覚えることができません。

粗相をした時はすぐに臭いを消す

対処法としては、粗相をした時は可能な限り早く臭いを消すようにします。

お留守番中など、飼い主が気付かない所で粗相している可能性もあるので、部屋がおしっこ臭いと思ったら、粗相した場所を徹底して探す必要があります。

なお、おしっこの臭いを消すならば消臭スプレーを使うのが効果的です。

消臭スプレーといっても様々なものがありますが、臭いをスプレーの香りで消す商品はおすすめしません。
この手の商品というのはイヤな臭いを誤魔化しているだけで、スプレーの香りの効果が切れたら、再び臭ってきますし、最悪の場合、臭いが混ざり合って余計に臭くなってしまうこともあります。

他にも無臭系の商品も沢山ありますが、消臭力やファブリーズ等の人用に作られた商品は、誤って舐めてしまうと害になるものもあるので、猫用として使うのは適していません。

臭いを消しつつ、猫の身体に害のない物を選ぶ必要があるわけですが、おすすめはカンファペットという消臭スプレーです。

消臭だけでなく除菌効果があり、消毒もしてくれ、もちろん使われている成分も安全で、仮に猫が舐めても一切、身体に害はありません。

>> カンファペット

マーキング(尿スプレー)

猫には普通の排泄とは違う、尿スプレーというものがあります。

尿スプレーとは、猫が立った姿勢で壁や家具等に尿をふきつける行動です。
マーキングの一種で本来は、なわばりの主張や交配相手を探す為に行われます。

おしっこと同じものと思いがちですが、全くの別物です。
おしっこよりも臭いが強いです。

尿スプレーは、去勢していないオス猫に多いですが、猫がストレスや不安を感じるとオス猫に限らず、する子もいます。

消臭スプレーとペットシーツを使う

おしっこ同様、尿スプレーをしても叱らないようにしましょう。

すぐに消臭剤で消さなければなりませんが、こちらもトイレの時と同じく、カンファペットがおすすめです。
※総合ペットショップ等で尿スプレー専用の消臭剤がありますが、カンファペットで十分です。

また、尿スプレーは特定の場所ですることが多いのですが、臭い自体が強烈なため、時に臭いを取り除くのが難しいことがあります。

そういった時は、あらかじめそのエリアにペットシーツを敷いておくのが効果的です。

尿スプレーをしてしまっても剥がして捨てるだけなので、後処理が非常に楽です。
おすすめはデオダブルというペットシーツで、働いていたブリーダーさん宅でも使っていました。

>> デオダブル公式サイト

これは表裏どちらでも吸収してくれるので、他の商品と比べても吸収力がかなり優れています。
留守中などで長時間、放置していたとしても臭いも残りません。

尿スプレー自体を減らす対処法として、去勢や避妊手術でたいていは収まりますが、それでも収まらない場合は、猫がストレスを抱えている可能性があります。

その場合は、ストレスの要因を見つけて取り除いてあげるしかありません。

トイレ環境が整っているか

トイレが合っていないと失敗する原因になります。

確認すべきチェック項目
1.トイレのサイズ
2.猫砂が猫の好みに合っているか
3.トイレが汚れていないか

まず、サイズが小さすぎると、猫が快適にトイレをすることができません。
特に子猫用のトイレをそのまま成猫になっても使っていると、窮屈に感じているかもしれません。

猫砂の選び方は上記で書いた通り、素材によって猫の好みが分かれます。
猫は、猫砂の質感や匂い、砂の量等を気にする傾向があり、一般的には鉱物系の猫砂を好む子が多いです。

トイレの汚れについては、固まった猫砂やうんちを片付ける頻度は大丈夫か、トイレ自体が汚れていないかを確認しましょう。

また、多頭飼いの場合は、トイレが汚れていると他の場所で粗相する可能性もありますし、相性の悪い子が使ったトイレを一緒に使いたくない子も中にはいます。

トイレ環境の改善

正しいトイレのサイズは、猫の全長の1.5倍以上といわれています。

小さいのはもちろん、大き過ぎてもいけないので、子猫は子猫用のトイレを、成猫は大人用のトイレを用意してあげるのがベストです。

ご家庭によっては子猫の時のトイレをそのまま使っていることがありますが、出来る限り、身体の大きさにあったのものにサイズアップしてあげてください。

子猫の場合、トイレのふちが高すぎて中に入れないことがあるので、トイレの前に段差を作ってあげるか、クッキーの空き缶等を代用するのもいいでしょう。

猫砂を気に入ってくれない時は、もう一つトイレを用意して、その中に素材が違う猫砂を入れてみることで好みの物が見つかります。

トイレが一つしかない場合は、いきなり全ての猫砂を新しいものに替えるのではなく、古い猫砂と新しい猫砂を混ぜて、新しい猫砂の分量を徐々に増やしていきましょう。

そして、猫は綺麗好きな動物です。
トイレが汚れているならしっかり掃除をします。

それでも汚れが取れない時は、トイレを丸ごと洗うのも手ですし、極端にトイレが汚れているならば、新しいものに新調した方がいいかもしれません。

まとめ

トイレのしつけのポイントをおさらいしておきます。

・叱らない
・トイレのサインを知る
・トイレの場所
・猫砂

これらを守っていれば、すぐに覚えてくれます。

一方、トイレに失敗している時はこのような事が考えられます。

・泌尿器系のトラブル
・場所を間違えて覚えている
・おしっこではなく、尿スプレー
・トイレ環境が整っていない

ご覧の通り難しいことは何一つないですし、しつけだからといって深く考え過ぎる必要はありません。
また、精神面の話になりますが、「よし!やろう!」といっった強い心構えで挑むと、失敗した時に冷静な対応ができない可能性があります。

あくまで、猫に向き合うという気持ちで進めていけば、いつの間にか成功しているはずです。
猫ちゃんのトイレの手助けになれば幸いです。

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野田 ゆきえ

野田ゆきえ

これまで、動物看護師、ペットシッター、ペットショップ、猫のブリーダースタッフと幅広く経験。持っている知識を元に執筆しています。

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