独特の鳴き声とボリュームたっぷりの被毛を着飾っているソマリ。
日本でも飼育頭数こそ多くありませんが、知名度は抜群で古くから親しまれてきた猫でもあります。
この記事では、そんなソマリという猫をご紹介します。
彼らならではの魅力も沢山ありますが、飼育しにくい猫として知られているのも事実。
今回は、ソマリが飼育が難しいとされている理由などについても触れていきます。
特に猫の飼育初心者の方は一度、ご覧になってもらいたいと考えています。
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ソマリってどんな猫?
豊かで艶のある美しい被毛を持ち、優雅な印象を与えるソマリ。
原産国はイギリスで、原種は最も古くから愛される短毛種のアビシニアンであり、その突然変異の長毛のアビシニアン(ロングヘアーアビシニアン)がブリーディングにより固定され、新たな品種として認められたのが現在のソマリです。
そのため被毛の長さ以外の、体格や性格、鳴き声など多く特徴をアビシニアンより受け継いでいます。
ボリュームのある被毛の下に隠された体格は2.7〜4.5kg程の中型です。
また「フォーリンタイプ」と呼ばれる筋肉質で骨格はスマートで、長くスレンダーな手足をしており、運動神経に優れていて、非常に活発です。
顔立ちは逆三角形で、クレオパトララインと呼ばれる目の周りに縁取りがある事でアーモンド型の目がより引き立ちます。
性格は非常に頭が良く、賢さゆえに神経質な一面を持ちます。
また、大変遊び好きで身体を使って遊ぶ様なエネルギッシュな遊びを好む傾向にあります。
それに加えて甘えん坊でもあり、遊びたい時や、甘えたい時に飼い主を呼ぶその声は、非常に可愛らしく特徴的な鳴き声をしています。
綺麗でその耳触りの良い声はまるで、「鈴を転がしたような声」と呼ばれる事もあります。
素晴らしく魅力的で、人気のある猫種ではありますが、性格や原種のアビシニアンにはない長毛であるという特徴から、初心者には飼いにくい猫の代表種としても挙げられます。
ソマリの歴史
ソマリの誕生には、多くの人々の努力と、心情あふれる名前の由来の歴史が残されてます。
ソマリの原型にあたる長毛のアビシニアンが多くの人の目に触れたのが1963年に行われたカナダのキャットショーです。
そこでアビシニアンのブリーダー(メアリー・メイリング)によって、2匹の長毛のアビシニアンが持ち込まれます。
その美しさがCCAオールブリード審査員の1人(ケン・マギル)の目に止まり、長毛のアビシニアンのブリーディングが開始されたと言われています。
また、同時期にアメリカのブリーダーエブリン・マーグが長毛のアビシニアンに魅了され品種公認に向けて熱心なブリーディングを始めるのですが、この頃に飼育されていた雄の長毛のアビシニアン「ジョージ」が、ソマリの血統の大元であると言われています。
のちの1978年、ようやく新しい猫種としてソマリが公式に認められる事となります。
しかし、古くからのアビシニアンブリーダー達の中には新種猫として歓迎しない者も多くいました。
そこで名付け親となるエブリン・マーグは「アビシニアンに近い存在である」という意味を込めて、古代アビシニア(現代のエチオピア)の隣の国、ソマリアにちなんでソマリと名付けれる事に。
時は進み1972年にアメリカでソマリ・キャットクラブが創設され、2年後の1975年にはCFA公認の国際ソマリキャットクラブも設立される事となり、ソマリはその知名度を確立していきました。
ソマリは飼いにくい猫の代表種
ソマリが飼いにくい猫種と言われる理由はいくつもあります。
特に留守の多い一人暮らしの方や、多頭飼いを希望する方、猫を初めて飼うという初心者の方にはお勧めできない猫種であると言われます。
まず、一人暮らしの方に向かない猫種である理由として、性格が非常に甘えん坊で、飼い主と多くのコミニュケーションを好み、お留守番中に一人で過ごすことが苦手です。
また神経質な一面もある為、ストレスを抱えやすい性格をしています。
お留守番が長時間になると、寂しさからその甘えん坊と活発さゆえ一人残された室内で動きまわり、飼い主を求めて鳴いてしまったり、お部屋を荒らしてしまうことすらあります。
それでは寂しさを紛らわすために、多頭飼いにしてはどうか?と思われるかもしれませんが、個体差はあるものの、非常に甘えん坊なソマリはヤキモチ焼きな子が多く同居猫との相性によっては逆にストレスとなってしまう事もあります。
体質面に目を向けると、被毛がロングヘアーのダブルコートという特徴から定期的なお手入れ(ブラッシングによる抜け毛除去)が必要になります。
ダブルコートは寒さから身を守る機能には優れていますが、保温性が高い為、気温が高いのが苦手で、特に夏場は室内の温度管理には充分な注意が必要です。
猫を初めて飼う方で、頻繁なお手入れが大変であったり、温度管理に不安を感じるようであればソマリの飼育は難しいと感じるかもしれません。
下記の「飼いにくい猫ランキング」という記事でも、ソマリは堂々の?ランクインとなっています。
飼育が容易ではない猫たちの中でも上位に位置しており、いかにソマリの飼育が難しいかというのが見て取れます。
関連記事:飼いにくい猫ランキングTOP5!初心者、一人暮らしは飼いにくい?
相性がいい人
逆にいえば、家にいる時間が長く猫とたくさんの時間を共有したい方、猫のお手入れを含む触れ合いを楽しみたいという方にはソマリは相性の良い猫といえます。
美しい被毛の持ち主
ソマリの被毛はセミロングのダブルコートをしています。
セミロングとされる全体的な被毛の長さは約2.5〜3.5㎝程で、肩あたりは短めなのに対し、尻尾はふさふさで密な毛が生えており、大変目を引きます。
特にブリーチと呼ばれる首回りと、後肢に長い毛がある事が美しいとされています。
そして、角度によってはキラキラと輝くようなその光沢のある被毛は、原種であるアビシニアンより譲り受けたティッキングという、一本一本の毛に2〜4段階に区切られた色の濃淡があり毛先に行くほど濃くなる、という美しい特徴のある毛を持ちます。
色は一般的な、ルディ、レッド(ソレル)、ブルー、フォーンの4種が正式に広く認められています。
中でもルディは最も個体数が多く、人気の高いカラーで、その色合いと豊かな尻尾を携えた容姿から「赤毛のキツネ」または、リトルフォクスキャットと呼ばれる事もあります。
あまり知られていませんが、その他にはシルバーやチョコレート、トータシェル、ライラックを認める登録団体も存在します。
長毛種がゆえ、抜け毛は多い
ソマリは長毛種がゆえに抜け毛が多い種類と言えます。
飼いにくい理由としてもあげられた通り通り、飼い主による定期的な抜け毛の処理が必要になります。
抜け毛の処理を怠ると、猫自身が全身舐める事によって行うグルーミング(毛繕い)をする際に、その抜け毛が猫の体内に溜まり毛玉となってしまいます。
最悪の場合、猫自身が毛玉をうまく排泄、または吐き出すことが出来ず、内視鏡で取り出したり、開腹手術によって取り出すと言う事態になりかねません。
そういった意味でも、他の品種同様、日頃のお手入れは欠かすことはできない猫であるといえます。
まとめ
明確な特徴と品種ならではの魅力があるソマリですが、実際に飼うとなると、難しい部分が多いのも彼らならではの特徴でもあります。
魅力
・人懐っこく甘えん坊
・美しい被毛
・特徴的な鳴き声
・人との距離が近い
飼いにくい理由
・神経質
・留守番が苦手
・運動量が多い
・被毛の手入れが必須
魅力ある猫であることには違いありませんが、飼いたいと考えているのであれば、こういった部分を頭に入れた上で検討するのがいいかと思います。